役人の給料ってどれくらい?民間と徹底比較!

はじめに

「公務員の給料って高いの?」「税金で給料をもらっているのに、安泰すぎない?」
そんな疑問や批判を耳にすることがあります。

一方で、「意外と低い」「年功序列だから若いうちは厳しい」との声もあります。実際のところ、役人(=公務員)の給料は、民間企業と比べてどうなのでしょうか?

本記事では、国家公務員・地方公務員の給与体系や平均年収、民間との違い、公務員ならではの特徴などをわかりやすく解説していきます。


公務員(役人)の給料の仕組み

公務員の給与はどう決まる?

公務員の給与は、民間企業のように各社の裁量で決まるわけではありません。法律や条例に基づき、以下のような流れで決定されています。

国家公務員の場合

  • 人事院が毎年「民間給与実態調査」を実施
  • 調査結果に基づき「給与勧告」を出す
  • 国会で法改正が行われ、給与が決定

地方公務員の場合

  • 各自治体が国の方針や地域実情を参考に給与を設定
  • 条例により議会で決定される

つまり、公務員の給料は「民間とのバランス」を意識して決まる仕組みになっているのです。


役人の平均年収はどれくらい?

ここでは、令和5年(2023年)の最新データをもとに紹介します。

国家公務員の平均年収(2023年)

区分平均年齢平均年収
一般職(行政職)約43歳約680万円
専門職技術職約42歳約700万円
国家総合職約36歳約830万円

※出典:人事院「国家公務員給与等実態調査」

地方公務員の平均年収(2023年)

区分平均年齢平均年収
都道府県職員約42歳約690万円
市区町村職員約43歳約670万円
教職員約45歳約740万円

※出典:総務省「地方公務員給与実態調査」


民間企業との比較:年収・昇給・退職金

では、公務員の給料は民間企業と比べてどうなのでしょうか?

平均年収で比較(国税庁調査)

職種平均年収
民間全体平均約458万円
公務員平均約680万円

民間全体と比べると、公務員の平均年収は明らかに高い傾向があります。ただし、これは中小企業が多数を占める日本の民間給与が低めに出る影響も大きいです。

参考:上場企業の平均年収

  • トヨタ:約870万円
  • 日立:約900万円
  • サントリー:約950万円

このような大手企業と比べると、公務員の給料は「中堅クラス相当」といえます。


年齢別の給料推移

公務員の給料は「年功序列型」であるため、若いうちは民間より低く、40代以降から差が開く傾向があります。

年齢公務員平均年収民間企業平均年収(大卒)
25歳約300万円約340万円
30歳約400万円約430万円
40歳約600万円約580万円
50歳約750万円約700万円

※参考:人事院・厚労省統計より作成(概算)


ボーナス(期末・勤勉手当)

公務員のボーナスは、年2回支給される「期末手当+勤勉手当」で構成されます。2023年の年間支給月数は約4.5か月分(民間とほぼ同等かやや上)。

| 年収600万円の職員の場合:
600 ÷ 12 × 4.5 ≒ 約225万円(ボーナス)


公務員ならではのメリットとデメリット

メリット

  1. 給与が安定している
    • 経済状況に左右されにくい。
  2. 毎年ほぼ確実に昇給がある
    • 民間では給与が据え置かれることもあるが、公務員は定期昇給が原則。
  3. 退職金が手厚い
    • 60歳定年時に2000万円超の退職金も珍しくない。
  4. 社会的信用が高い
    • 住宅ローン・クレジットカードの審査に通りやすい。

デメリット

  1. 若手の給与が低い
    • 新卒時の基本給は20万円前後。手取りは約16〜18万円。
  2. 成果主義ではない
    • 頑張っても昇給スピードはほぼ同じ。
  3. 副業・兼業が原則NG
    • 起業や副収入を考えている人には不向き。
  4. 転勤・異動が多い
    • 国家公務員は特に全国転勤があり、ライフプランが立てづらい。

実際に働いている人の声

「確かに安定はしているけど、業務量が多い部署は残業も多い。『割に合わない』と感じることもあります」(30代・地方公務員)

「ボーナスや退職金がしっかりしているので、将来設計は立てやすいです。ただ、やりがいより“制度”で選んで入った人は、途中で悩むことも多いかも」(40代・国家公務員)


まとめ:公務員の給料は“安定中の中堅クラス”

役人=高給取り、という印象を持たれることもありますが、実際には「安定しているが、突出して高いわけではない」というのが現実です。若手のうちは給与が低く感じられるかもしれませんが、長期的には安定性・退職金・福利厚生の面で民間企業に勝る部分が多くあります。

また、民間では成果主義が強まる一方、公務員は全体最適や公平性を重視する働き方が求められます。どちらが自分に合っているかをよく考えて、キャリア選択をすることが大切で

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