~失敗しないための基本チェック~
「念願のマイホームを建てたい」
「将来に備えて土地を買いたい」
そんな夢の第一歩となる「土地購入」。しかし、土地は一見すると同じように見えても、法的な制限や環境リスク、使い勝手の差が大きいのが現実です。価格や立地だけで判断して購入してしまうと、後で大きなトラブルになることも…。
そこで今回は、初心者でも理解できるように、**土地購入前に絶対に確認しておくべき「7つの不動産調査ポイント」**をわかりやすく解説します。これを読めば、安心して土地探しができるはずです。
1. 登記簿で「所有者」と「権利関係」を確認する
✔ なぜ大事?
土地の正当な所有者が誰か、そして抵当権(借金の担保)などが付いていないかを確認するためです。
✔ どこで調べる?
→【法務局】で「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得します(1通:500円前後)。
✔ チェックポイント:
- 所有者名:売主と一致しているか
- 抵当権の有無:銀行の担保が残っていないか
- 地目:宅地、田、畑など(宅地でなければ転用手続きが必要)
📝ワンポイント
「地目が農地(田・畑)」の場合、農地法の許可が必要です。場合によっては購入が難しいこともあります。
2. 接道状況を調査する(再建築可かどうか)
✔ なぜ大事?
土地が**「道路」に接していないと建物が建てられない**可能性があるためです。
✔ どこで調べる?
→【役所の建築指導課】や【道路課】で「道路台帳」「建築確認履歴」を確認。
✔ チェックポイント:
- 幅4m以上の道路に、2m以上接しているか?
- 接しているのが「公道」か「私道」か?
- 私道の場合、通行・掘削の承諾が取れるか?
📝ワンポイント
建築基準法における「接道義務」を満たさないと「再建築不可」になり、将来の資産価値が大きく下がります。
3. 用途地域や法令制限を確認する
✔ なぜ大事?
土地には「建ててよいもの」「建てられないもの」がエリアごとに制限されています。
✔ どこで調べる?
→【役所の都市計画課】で「用途地域図」「建築制限」を確認。
✔ チェックポイント:
- 用途地域(例:第一種低層住居専用地域など)
- 建ぺい率・容積率:建物の大きさに直結
- 高さ制限・斜線制限
- 防火・準防火地域の指定
📝ワンポイント
「建ぺい率50%・容積率100%」なら、たとえば100㎡の土地に延床100㎡の家までしか建てられません。理想の家が建てられるかどうかを必ず計算してみましょう。
4. 現地で越境や境界を確認する
✔ なぜ大事?
隣地の塀や樹木が土地を越えていると、将来トラブルの原因になります。
✔ どこで調べる?
→【現地調査】と【土地家屋調査士による境界確認】
✔ チェックポイント:
- 境界杭が明示されているか
- 越境物(他人の屋根・配管・木の枝など)
- ブロック塀やフェンスの所有権がどちらにあるか
📝ワンポイント
境界不明な土地は、将来的な売却にも不利です。できれば「確定測量図」の有無を確認し、なければ購入前に土地家屋調査士に依頼するのがおすすめです。
5. 災害リスク(ハザードマップ)を確認する
✔ なぜ大事?
いくら条件の良い土地でも、浸水・地震・土砂崩れの危険地域だと資産価値が下がり、保険料も高くなります。
✔ どこで調べる?
→【市町村のホームページ】【ハザードマップポータルサイト】(国交省)
✔ チェックポイント:
- 洪水・内水氾濫エリア
- 土砂災害警戒区域
- 液状化の可能性
- 過去の浸水履歴(自治体や住民に確認)
📝ワンポイント
ハザードマップは自治体ごとに異なるので、必ず購入予定地の所在地の情報をチェックしてください。
6. 地盤・地歴を調べる
✔ なぜ大事?
地盤が弱いと、建物が傾いたり、地盤改良でコストがかさんだりします。また、過去に埋立地や工場跡地であれば汚染の可能性も。
✔ どこで調べる?
→【地盤サポートマップ】や【旧地図】【地歴調査会社】
✔ チェックポイント:
- 地盤の強さ(支持層の深さ)
- 過去の用途(田、沼、工場跡地など)
- 近隣の地盤沈下事例
📝ワンポイント
必要に応じて「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)」などを実施し、地盤改良の必要性を確認しておきましょう。30〜50万円前後が相場です。
7. 周辺環境・近隣トラブルの有無
✔ なぜ大事?
住んだあとに「思ってたのと違う…」とならないために、周辺環境の“肌感覚”を調べましょう。
✔ どこで調べる?
→【現地見学(昼・夜・平日・休日)】【近隣ヒアリング】
✔ チェックポイント:
- 交通量・騒音・振動
- 学校・病院・スーパーなどの利便性
- ゴミ置き場の管理状態
- 近隣住民の雰囲気
- 嫌悪施設(工場、風俗、パチンコなど)の有無
📝ワンポイント
できれば朝・昼・夜の3回見に行くと、時間帯ごとの「空気」がわかります。また、不動産会社に「過去にクレームやトラブルはあったか」と率直に聞いてみましょう。
まとめ:調査を怠ると「安物買いの大損」になる
土地購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物です。しかし、価格や場所だけで決めてしまい、「家が建たない」「トラブルが絶えない」「資産価値が落ちた」などの後悔をする人も後を絶ちません。
今回ご紹介した7つの調査をしっかり行えば、そうしたリスクを大幅に減らすことができます。
✅ 最後にもう一度:7つの不動産調査ポイント
- 登記簿で所有者・権利関係を確認
- 接道状況と再建築の可否をチェック
- 用途地域や法令制限を把握する
- 境界・越境を現地で確認する
- ハザードマップで災害リスクを確認
- 地盤や地歴に問題がないか調べる
- 周辺環境や住民の様子を肌で感じる
補足:不安があるなら専門家に相談しよう
- 宅地建物取引士(不動産会社)
- 土地家屋調査士(境界確定)
- 建築士(家が建つか判断)
- 不動産鑑定士(資産価値評価)
土地探しは「安い・広い」よりも「安心・安全」。
正しい調査が、理想のマイホームの第一歩です。
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